2003年04月30日

●THE☆SCANTY、THE☆HOOKERS、オレンジレンジ in 那覇CLUB D-SET

4/29、THE☆SCANTYの沖縄ライヴに、THE☆HOOKERSとオレンジレンジがゲスト出演するということで、聴きに行く。

会場は那覇のCLUB D-SET。観客の大半は高校生で、さすがに平均年齢低すぎで気が引けるので、後ろのほうでこっそり(小心者)。

一番手はTHE☆HOOKERS。今日は新曲中心にやるとのこと。ミホコZ(key)いわく「今日は若いコがいっぱい来ててオバさんはうれしい!若いエキスくれ〜」。自然と耳に残るボーカルが、ちょっと哀愁もあっていい感じ。ゲストということで30分ほどのステージながら、会場は終始タテノリで盛り上がっていた。7/7に一年半ぶりのCD「少年カタルシス」(マキシシングル)をリリース予定とのこと。

続いてオレンジレンジの登場。おっと歓声がスゴイ。ステージ前面の女子中高生人口密度が急上昇。彼女らの熱い視線が追うのは、ステージ上で激しく飛びまわるトリプルボーカル。この3人が津波のようにたたみかけてくるフレーズが、ずんずん響いてくる。バックのサウンド隊(ギター、ベース、ドラム)の重低音もそれに拍車をかける。こちらもわずか30分ほどのステージだったが、なるほど、いま大人気の理由がわかった気が。なんだかCDと印象がかなり違うような…。ラストに演奏した「キリキリマイ」で6/4にメジャーデビュー(sony recoreds)するとのこと。また、5/3に渋谷DeSeOでもライヴがある。

そして本日のメインTHE☆SCANTY登場。沖縄は全国ライヴツアー「13TH ATTACK TOUR 三十路も近いし、正直長え…」の最終地。サブタイトルの三十路を迎えるのは、ドラムのTO-BU(堂本兄弟では見ていたものの、本物のアフロがごつい)。ステージ序盤にボーカルのYOPPYが、オレンジレンジのメンバーに教えてもらったとかで「真マジサイコー」と叫ぶ。「みんな、めんそーれ言うて〜」のYOPPYの言葉に間髪入れず「めんそ〜れ〜!」と応える観客がスゴイと思ったりして。「沖縄の人ってのんびりしてて独特やんか。でもライヴはノリノリで安心したわ」「沖縄そば食べたでー。ゴーヤーは食えない」などなど。意外とTHE☆SCANTYが沖縄で知られていることにちょっとビックリ(都内でも比較的小さなライブハウスで普段やってるし)。

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●零戦 in ぎのわんトロピカルビーチ

4/29、コンベンションセンターに隣接したビーチで零戦の野外ライブ。海開きに合わせたイベントのラストに登場。

この日はすっかり夏で、海水浴客も多数。北海道では、やっと桜前線が届いた頃だというのに、思いっきり別世界。白い砂浜(人工だけど)がメチャクチャまぶしい。

そんななか、海に向かって開かれた特設ステージに零戦の7人が登場。最初観客はまばらだったが、Vo.與那覇の雄叫びと重低音サウンドが空に響き渡ると徐々にステージ前に人垣ができる。「いや〜、あっついですね〜。倒れそうです」と與那覇氏。

このバンドの魅力は、ツインドラムとツインベース(一方はデカいウッドベース)によって生み出されるカラダの芯から響く重低音。これまでCDで聴いていただけだったが、やはりライヴで体感する迫力はまったく別モノ。また、與那覇のビブラート気味の声と、低いコーラスとの掛け合いも面白い効果を出している。

曲は「大地」「コンドル」などで30分ほどのステージだった。
主催:宜野湾市、宜野湾観光振興協会。

ちなみに、同じ時間に隣のコンベンションセンター内では「地位協定を見直す」というテーマのフォーラムが開催されていて、稲嶺知事が講演をしていた(ガラス張りの会場だったので見えた)。報道陣も多数。青年会議所主催ってのが(以下自粛)。宜野湾市長選で革新派が勝った直後だけに、さてさて今後の動向は...。

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2003年04月29日

●嘉手苅林次 in コザ民謡スナックとみ子

4/28、嘉手苅林次さんが唄っているお店があることを聞きつけ、案内してもらってコザの照屋交差点近くにある民謡スナック「とみ子」へ。

「とみ子」は、沖縄芝居のベテラン女優、真喜志とみ子さんのお店。林次さんがここで唄うようになって3〜4年目とのこと。林次さんにお会いするのは初めてで緊張するが、カウンターで気さくにユンタクしてもらって感激。コザ近辺の方言の話から、民謡の習い方についてなど、さまざまな話題で楽しませてもらう。

ステージにあがった林次さんは、大城あい子さんの太鼓とお囃子で、「三村節」「軽便鉄道節」などを演奏。「ヒヤミカチ節」で見せた早弾きがスゴイ。「安里屋ユンタ」や「芭蕉布」では私もステージに呼ばれ、唄わせてもらう。ん〜、自分が知ってる民謡があまりに少なくてお恥ずかしい限り。もっと民謡聴かないとダメだな〜と反省。そろそろ三線を本格的にやるべきか。

なお、林次さんは6月?に名古屋のコンサートに呼ばれているらしい。また、ママの真喜志とみ子さんは、11月に県内で沖縄芝居の公演を準備中とのこと。

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2003年04月28日

●NHK沖縄の歌と踊りのつどい in 具志川市民芸術劇場

4/27、具志川市民芸術劇場で「第55回NHK沖縄の歌と踊りのつどい」の公開録画。宮良長包生誕120年と山之口貘生誕100年を記念した催しで、出演は佐渡山豊 with ローリー&ノーリー、大工哲弘さん、ほか。

第一部は「宮良長包の世界」と題し、前半は「赤ゆらの花」「首里古城」などの宮良作品をオペラ歌手が朗々と歌い上げる。「桑の実」「大鷹小鷹」「唐船」では、メゾ・ソプラノ歌手の兼嶋麗子さん(映画「なびぃの恋」の!)が出場し、力強い美声で会場をふるわせた。

後半、いよいよ佐渡山豊さん登場。なぜかリハーサルのときと違ってモジャモジャなカツラをつけている佐渡山さん、遊んでるな〜。1曲目の「泊り船」は、ギター一本でゆっくり言葉をかみしめるように歌う。しんみりと情感たっぷり。続いてローリーさん(gt)とノーリー儀保さん(perc)が加わり、一転して賑やかに「稲刈り歌」。ん〜、ローリーのアコースティックギターがうねる!佐渡山さんの野太い声、そしてダイナミックに原初的なリズムを刻むノーリーの太鼓が加わることで、広いアジアの世界とのつながりを想起させるアレンジとなった。

トリは大工哲弘さん。「荒磯の歌」「汗水節」「なんた浜」「えんどうの花」といった宮良長包の代表作を、大工さんの味のある声で聴かせてくれる(笛:屋嘉部充、ギター:矢野憲治、コーラス:大工苗子&玉城杉子)。ちなみに、後日この宮良作品を集めたCDが出る予定らしい。

第二部は「山之口貘の世界」。5人の音楽家それぞれが、独自に貘の詩につけた曲を発表するという趣向。前半3組(瑞慶覧尚子、新垣雄、杉本信夫作曲)は、オペラ歌手による歌曲。新垣雄さんの作品では、同じマザーアースの與那嶺理香さんがバイオリン担当。杉本信夫氏の作品では、再び兼嶋麗子さんが登場。

4組目に登場の大工さんは高田渡作曲の「座蒲団」と「生活の柄」を演奏。ピアノで桜沢有理さんが加わる。大工さんの「生活の柄」は、味があるんだよな〜。

5組目は佐渡山豊 with ローリー&ノーリー。「貘」「会話」「紙の上」。「会話」は、普段よりもかなりスローなアレンジ。ギターはローリーに任せて、訥々と語るように歌う。この抑えめの語り口が、嘆き、悲しみ、そしてユーモアが交錯する原詩の魅力を逆に際だたせる。「紙の上」では、ガラッと変えて迫力あふれるステージ。シャウトする佐渡山さんに合わせて、ローリーのギターがうなる!ノーリーの激しいドラムとともにグルーブは最高潮へ。最後には、それまで身動きしていなかった観客も手拍子をとり、佐渡山さんもリハーサル無視(やっぱり)で立ち上がってステージのセリまで出てアピール。「Thank you!!!」。あ〜、やっちゃったよ。NHK的にはオッケーだったようだけど。

第二部最後の演目は、「NHKテレビ実験放送『沖縄舞踊』復活上演」。これは、1952年9月5日午後3時半〜4時に実験放送されたもので、山之口貘が自身の作品をもとにみずから出演し、琉球舞踊を紹介していくという番組だったらしい。今回は完全な再現というわけでなく、沖縄の将来を憂う貘という視点で、幸喜良秀さん(沖縄演劇界の重鎮)が演出して再構成。歌と演奏は伊波貞子さん、伊波久美子さん(フォーシスターズ)ほかで、舞踊は、當銘由亮さん、比嘉いずみさんほか。また、貘役に小波津隆さん。美しい琉球舞踊とともに「琉球よ沖縄よ今度はどこへ行くというのだ」という貘の言葉が重く心に響く舞台だった。

なお、この録画は今後数回に分けて沖縄ローカルの番組で放送するらしい。NHK-BSでもダイジェストで放送の予定。

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2003年04月27日

●伊波緑 in 浦添GROOVE

4/26、浦添GROOVEで伊波緑さんのライヴ。スタート予定時間を30分近く過ぎた頃、「お待たせしてすいません」と小柄な伊波さんがステージ登場。

1.終わりの季節
2.おいしい愛
3.マーキーマイラブ
4.ふたりのあさごはん
「この曲は、「一日に玄米四合と」のモデルの人がどんな朝ご飯を食べてるのかなーと思ってたときに、にしゆうこさんの詩に出会って作った曲です。歌ってるうちにこれはひとりぼっちの歌ではなく、夫婦の歌だったと思うようになりました。」
5.お台所でトントントン
「もう随分歌ってなかったので心配でした。」
6.?(わたしはうたーうー)
「昔はミネルバという名前でやってて、よくヘビメタと間違われました。間違ってきた人が、階段で猫が聴いていたと教えてくれた。」「こういう場で歌う前は、そこの安謝の埋立地でよく歌ってました。台風のとき、カップルがテトラポットにいて恐いものを見てしまったと思った。」
7.私は母です
8.いつも君に会いたい
「かれこれ7年経ちますがまだできてません。できるかな」
9.(ドロップ)
10.屋嘉の水田の稲
「329号線をずっといくと、6月の終わりにガードレールに稲を干しています。とてもさわやかな風景です。」
11.(ぼくの武器はアタマだ)
「みんなと一緒に四拍子でやってみたいと思います」「この歌のモデルはチョムスキーですね、と友人にいわれました。ちがうだろ〜(笑)。その人と一緒に東京でライヴやります。」
12.(阿弥陀様'87)
13.夏の言葉
14.愛について(友部正人)
15.M78
「東京でJokeboxというバンドをしている西里一茶雄さんの歌です。ヒーローは繊細な心をもっていてほしいと思います。」
16.銀の汽笛
「この歌を歌うと瓢鯰図を思い出します」
17.きみは
18.一日に玄米四合と
19.(海を遠く離れて)
20.drive
「自分がいいと思う歌が受けいれられて、今日みたいによく聴いてもらえると本当にうれしいです。」
21.(ぼくの家ときみの家)
「夜中かけて32km離れた恋人の家まで歩いていく話です。長い歌ですが、一緒に歩いていく気分で。」
「ここで一緒に過ごせるというのは、ここにいる人だけの特権だと思うんです。人として生まれたからには、やっぱりライヴだなと思います。皆さん、今日は本当にありがとうございました。」

アンコール1.はらりはらり
「5/3に長野のネオンホールでやるんですが、去年もそこでライヴしたときに次回やりますと約束した歌です。」

若干ミスタッチもあり、ステージ慣れしていない印象を受けたが、その歌の世界は唯一無二。弾けるピアノの音と、独特の伊波さんの歌声によって、くっきりとした情景が次々と広がっていく。楽しくもあり、切なくもあり、おかしくもあり、悲しくもあり...。その揺らぎのなかに身を任せていたら、あっという間に時間が過ぎてしまった。

なお、伊波さんは5/2に東京吉祥寺のMANDALA-2でライヴがあるので、関東近辺のひとは是非。たぶん、これ以外はしばらく東京ではライヴないはず。

GROOVEはソークワクチンのホームグラウンドということで、マスターに話を聞くと、マスターもいまイチオシとキッパリ。そして、もうひと組のオススメが「ピッピ隊」とのこと。そういえば、GET HAPPY RECORDSでも薦められたなあ。く〜、ライヴ見たい!

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●演劇空間大地「AirCity」 in 浦添アトリエ

4/26、演劇空間「大地」の公演を見に、浦添にあるアトリエへ。今回の「Air City」は、シリーズ「カリブstory」の3作目とのこと。

以前から沖縄の現代演劇シーンを見たい見たいと思っていたものの、いつも滞在日程が公演日と合わず悔しい思いをしていたので、今回はハードスケジュールを組んで観劇。

初日だったがお客さんは満員。広いアトリエに組まれた舞台は、シンプルに見えるが、よく整理され考えぬかれた設計。脚本は、シリーズのなかの一話ということもあってか、やや説明的でメリハリに欠ける印象。しかし、4人の出演者だけで、SF仕立ての壮大な背景をもつ物語をしっかりと見せてくれた。ラストシーンで涙を流す観客も。このシリーズは次回の4作目が終章とのこと。

脚本・演出:照屋京子
CAST:照屋京子、比嘉なつえ、上原尚子、前平雄一朗

ちなみに矢野憲治さんが効果音担当。観劇後は、伊波緑さんのライヴ(浦添GROOVE)に直行。

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●神谷千尋 in 具志川ジャスコ

4/26、午後3時から具志川ジャスコで神谷千尋さんのインストアライヴ。きょうは3時と5時の2回公演で、3時の回を見る。

1曲目「さがり花」を歌ってご挨拶。
「地元具志川ということで、知り合いが見えてて緊張してます。」

2曲目は「わらび時分」。
「私はもともと勝連町の津堅島で生まれ育ちました。平敷屋港から船で20分、にんじんで有名な島でキャロットアイランドと呼ばれています。そこで3歳の頃からずっと民謡を歌ってます。」

続いて「空よ海よ花よ太陽よ」。
「私の大好きな歌です。今回初めてウチナーグチではない標準語の歌詞に挑戦してみました。世界中に平和が届いたらいいなと思います。」

次はしゃかりのカバー曲「ねがい」。
「今回のアルバムには、パーシャクラブの上地さんや、しゃかりの上地さん、與那覇徹さんとか、有名なアーティストの方に参加してもらってます。」「今晩、ライブハウス島唄にしゃかりのゲストで出ますので、お時間のある方は是非お越しください。」

そして最後の曲「美童しまうた」。
「私のデビュー曲です。この曲があって今の私があるので大切に歌い続けたいと思っています。」

構成は東京銀座わしたインストアとほぼ同じ。多数の買い物客でざわめきが絶えないジャスコ店内だったが、神谷さんの伸びやかな声が広いフロアによく響き渡っていた。特に今回感じたのは、低音、高音それぞれに味がある声質の素晴らしさ。これは一気にブレイクしそうな予感。

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2003年04月26日

●しゃかり in コザClub Pati

4/25、コザのClub Patiでしゃかりのライヴ。「旅の花」と題したライヴツアー、今夜は沖縄第一弾ということで4ヶ月ぶりというバンドバージョンで登場。

ライヴ幕開けは、千秋さんのアカペラ(歌舞劇「南海のムリカ星」のオリジナル挿入歌)。もう、しょっぱなから千秋さんの伸びやかで透き通ったナマの声に震えてしまう。そして「願い」「」。「Patiはコーラスをやっていたディアマンテスのホームグラウンドということで、とっても楽しみにしていました。しゃかりとしてPatiでやるのは2回目です」。サポートはkey新垣雄(マザーアース)、bs西原英生、dr平良潤。

続いて「天川」「新しい私」「見上げれば」。そして一部ラストの曲は、千秋さんが役者に初挑戦し、かんなりさんが曲を担当したという歌舞劇「南海のムリカ星」の挿入歌「南海の群星」。これは夏に出るアルバムに収録するとのこと。

第二部は、しゃかりのレギュラーメンバーでスタート(新垣さん含む)。「ある人が調べてくれたんですが、しゃかりの歌全24曲のなかで、空という言葉が17曲34回、風が9曲中30回、月が8曲中18回出てきます。」ということで、月をテーマとした「きっと」。

ここで、CDを2枚紹介。一枚目は、新垣さんとかんなりさんが作ったCD「珊瑚抄」の第二弾「珊瑚抄2」。6/4にリリース予定で、先週レコーディングが終わったばかりとのこと。二枚目は、しゃかりと千秋さんのソロで参加したコンピレーションアルバム「琉球詩歌」。このなかで千秋さんはローリーの「特別な夏」「芭蕉布」が特にお気に入りとのこと。その「琉球詩歌」に収録された「永遠に響かせたなら」と「童神」(古謝美佐子さんのカバー、男性陣がコーラス)を続けて。

ここからバンドスタイルに戻り、スペシャルゲストとしてバイオリンの與那嶺理香さんを呼ぶ。新垣さんと與那嶺さんとで組んでいるユニットが「マザーアース」ということで、バンドも含めて2曲を演奏。

続いてしゃかりメドレー。「さらさら」「月のしずく」「」。歌い終わって千秋さん「気持ちイイ〜ッ!」。

次の「心の声」は、「言葉ではできなくても歌では私の心のうちを伝えられる」と思って出来た歌とのこと。「一緒に歌ってほしい」と千秋さんがリードをとって会場全員で大合唱。ラストは「歩き出してみたら」。

少しおいてアンコール。「よくライヴにクライアントの人が来ることがあるので、あ、盛り上がってるなと思ってもらうとお仕事も来るので(笑)、っていうのは冗談....半分ですが(笑)、皆さんに振り付けを用意しました。」ということで会場一体となって「風とともに」。続いてバラード「願い」でしっとりとシメ。

しかし、拍手と声援は止まず、ダブルアンコール。これは、メンバーも予想外だったらしく、準備不足でバンドでできる曲がない(前日4ヶ月ぶりに練習したらしい)とのことで、アンケートでも好評という「さらさら」と、「心の声」をもう一度。「これからも、みんなが元気になれる歌を作っていきたいと思います」。

今回は、後半バイオリンも加わって音の厚いライヴになったが、メンバーそれぞれの出す音がバランスよく出ていて、面白く聴かせてくれた。もちろん千秋さんの声も他の楽器に負けず、ときにはマイクなしで歌ってる場面もあって、改めてその声のチカラに感動。全然関係ないけど、勝さんは俳優の宇梶剛士に似てるな〜とふと思ったりして。

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2003年04月25日

●笹野みちる、ソークワクチン in 吉祥寺MANDA-LA2

4/24、月イチでやっている笹野みちるさんの企画ライブ「みちる庵」に、沖縄在住3人組のソークワクチンがゲスト出演。前々からかなり楽しみにしていのだが、期待通りの大盛り上がりとなった。

カリスマ的な人気をもつ笹野さん(元「東京少年」、現「京都町内会バンド」)だけに、会場はギュウギュウの満員。その笹野さんのユニット「3億円」(ホッピー神山さんら)のオープニングアクトのあと、いよいよソークワクチン登場!

セッティングのあいだ、笹野さんがつなぐ。「はるばる沖縄から来てくれました。きょうは東京在住沖縄人の75%が来てます(笑)。メンバーは、たまちゃん、めぐみちゃん、めぐみちゃんのお姉さん。たまちゃんは、たま(バンドの)が好きだからだそうです。CDのプロデューサーはホッピー神山さん。ホッピーさんが、いいよいいよ、っていうんで聴いたら、5秒で感動しました。声のエネルギーがむちゃくちゃ高いです。琉球シャーマンです。」

準備オーケーということでご挨拶「はじめまして、1曲目はサブレツアーです。」と始めるも、イントロで「ちがう!」とストップ。その瞬間偶然にも後ろの壁に貼ってあった紙がはがれ観客大ウケ(本人達は気付いてなかったよう)。この神がかり的ハプニングが余計に観客の期待を盛り上げる。

再スタートしての「サブレツアー」で、まず観客を驚かせたのが、お姉さんのナゾの踊り。そして他のふたりが歌(叫び?)担当で、ときどきたまさんがMTRをいじったり、めぐみさんがキーボードの鍵盤を押さえたりという不思議な演奏スタイル。MCはたまさん担当。テンションの低い、素のままなトークが逆にオモシロイ。

続く「サントメプリンシペ in アボガド」では、めぐみさんのマジカルボイスに圧倒され、タダモノではない彼女らのパフォーマンスに会場もますます騒然。リフレインする意味不明なフレーズが妙に心地よい。

次の「デンファーレ」では、「この歌をやるときは、いつもケーキを配ってます。(東京で)ケーキ探すの大変だったね」。そして演奏中お姉さんが踊りながら3箱のケーキを配り歩く。演奏後お姉さんが「空き箱はあとでお返しくださーい」。ドテッ。ん〜いちいち会場ウケてます。

続く「グレープフルーツ」のあと、めぐみさんと、たまさんが意味不明な声の応酬。それに圧倒されていると、「はい、チューニングオッケーです」(たまさん)。チューニングだったのかよ!いや、でもメチャクチャやってるようでいて、じつはハモリがしっかりしてるのが、重要なポイントかも。

曲はほかに「夜の窓」、「マルチーズワールド」、「サッカリン」、「ムッシュヒーホー」(食べても食べてもものたりない!)、新曲の「ホー(仮)」、そしてラスト「ウクサディ」。面白すぎてあっという間のステージ。会場もどっぷりとソークワクチン・ワールドにハマってしまっていて大拍手だった。

ここで笹野さんが登場。「いや、もうおネエさん泣きました。あんたら女子校やろ!あ、商業高校か、やっぱりな〜。高校やり直して同じクラスになりたいわ!一緒に1曲やろうな」ということで、京都町内会バンドの歌「ホピの犬」を一緒に。もともとこの曲は幻想的だが、ソークワクチンのコーラスでより幽玄な世界へと誘う。これはハマりすぎ!「この歌をこんなに正しく解釈してくれたひとは初めて。これでもう一度レコーディングやり直したいです(笑)」という笹野さんの言葉、かなり本気とみた。

続いて笹野さん(3億円)のステージ。「ハイリ・ハイリ・レホ」「涙色の海へ」(東京少年より)、新曲のポエトリーリーディング?、「おかげさまです」(いい歌だな〜これ)、「愛に迷ってる人へ」(京都町内会バンドより)。笹野さん、かっこええな〜。追っかけしたくなるファンの気持ちわかるわ。

アンコールでは、再びソークワクチンも呼んでビートルズの「Cry Baby Cry」をカバー。これはソークワクチンのリクエストとのこと。笹野さんが「帰ったらオリジナル聴いてな。全然違う曲やから(笑)」という通り、かなりラジカルなアレンジ。最後は「頭がどっか行っちゃった」。

いや、もう、すごいもの見せてもらったという感じ。今度はゲストにちえみジョーンズを呼んでほしい(以前も一緒にやったけど見れんかったので)。ちなみに会場には中川五郎さんの姿も。

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2003年04月24日

●資生堂シーブリーズ

波照間島で撮影したという倉木舞のシーブリーズのCMがオンエア中。そういや、先月ハテルマに行ったときシマの人がそんなことを言ってたなぁ。

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2003年04月23日

●田中眞紀子、宮良杏子 in 渋谷アピア

4/22、渋谷アピアでこのところ毎回見ている田中眞紀子さんのライヴ。きょうは弾き語り4人の対バンで、前から見たかった宮良杏子さんの演奏が楽しみ。

7時頃からライヴスタート。お目当ての2人以外では、2番目に出場したギター弾き語りのミキさん(♂)が、哀切漂う声でなかなか聴かせてくれる。特に「旅のサーカス一座」が、鉛色の空を感じさせる世界のなかに、それぞれの人生を背負った団員の姿を浮かび上がらせていて良かった。ちょっと、あがた森魚を感じさせる世界。

3人目は宮良杏子さん。宮良さんは埼玉生まれ東京育ちのギター弾き語リスト。名前からもわかるように、お父さんが沖縄出身の沖縄2世。ステージにはまだまだ危うさがあるものの、素直な気持ちを表現した歌詞が好印象。重いテーマを感じさせる彼女の歌が、今後どのように深まっていくか期待したい。

いつものように4人目トリは田中さん。今日はより緊迫感のあった「平和の国のニーズ」が胸に響いた。この歌に歌われているこの数十年の変遷は、自分にとってもリアリティのあるもので、考えさせられるところが多い。また、「塀の上」も、昨今の状況と図らずもシンクロしてしまい、重く重くのしかかる。

なお、田中さんは初のワンマンライヴを5/10にお茶の水労音で開催する。しばらくCDを作る気はないそうなので、この貴重な機会を逃さないようにしたい。

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2003年04月22日

●Cook Do「ゴーヤチャンプル用」

なんてのをスーパーで発見。春と夏だけの季節限定商品だとか。

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2003年04月21日

●神谷千尋 in 銀座わした

4/20、午後3時より銀座わしたショップで神谷千尋さんのインストアライヴ。しっかり者との評判どおり、店内の狭いステージをぐるりと囲んだギャラリー相手の立ち居振る舞いは、さすがにベテラン級だった。

30分ほどのステージということで、曲目は「わらび時分」「空よ海よ花よ太陽よ」「ねがい」「美童しまうた」など、自分で三線や指笛も入れて全6曲。伸びやかで安定した声にほれぼれ。「沖縄生まれの沖縄育ち。3歳のときから唄っています」「今後、東京でライブをするときはどうぞ来てください」。1週間ほど東京に滞在すると前日の古謝さんのコンサートで語っていたので、今週はプロモ活動で大忙しといった感じ。

店内の八重山特産物コーナーに泡波(波照間島の幻の名酒)発見!と思ったら、ディスプレイ用の非売品だった。当り前か。あと、CDコーナーに伊波緑さんの「drive」が多めに置いてあったのにちょっとびっくり。

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2003年04月20日

●古謝美佐子 in 世田谷パブリックシアター

4/19、古謝さんの唄会。やっぱり泣かされてしまった...。

会場は昨日(奄美フェス)と同じ世田谷パブリックシアター。最近はりぃみぃー(夏川りみ)とのジョイントコンサートが多かったが、今日は東京では1年ぶりとなるソロの唄会。冒頭のMCで、佐原さん(key, gt)が「3時間やりますがいいですか」と脅しをかける(笑)が、会場はもちろん大拍手。古謝さんは「お尻が痛くなったらロビーで屈伸運動してきてください」とアドバイス(?)。

前半は、新曲の「花影(はなかじ)」も良かったが、面白かったのが3種類の三線の聴き比べ。普通の三線とともに古謝さんの横に並んでいるのは、「ウッド三線」と「落下傘バァーイ(落下傘張り三線)」。「ウッド三線」は、オール木製で、ヘビ皮に見える鼓の部分も木製というのがオドロキ。ちょっと乾いた音色が特徴で、戦争直後によく使われていたカンカラ三線に近い音が出せるので、その頃の唄を唄うときに使うそうだ。また、「落下傘バァーイ」は鼓の部分が迷彩色で、その名の通り米軍の落下傘を利用したもの。古謝さんが子供のときにはよくあったそうだがいまはほとんど見ないとのこと。どちらの三線も宜野座の屋良三味線店で作っているそうだ。

その三線を使いわけて唄ったのは「南洋小唄」と「PW無情」。PWとは、Prisoner of War=戦争捕虜のことで当時捕虜になった人の背中には「PW」と大きく書かれていたらしい。うらみしゃや〜うちな〜、という出だしがハッとさせる。続いての「二見情話」は、思いがけず聴くことが出来て、じ〜ん。その次の「屋嘉節」の屋嘉は、戦争捕虜収容所があったところ。...と、戦争を想う唄が続く。

古謝さんは嘉手納基地のすぐ近くに家があり、小学4年生のときB52が墜落したときのことをよく覚えているそうだ。それと同じくらい911テロ直後も大変で、兵隊が銃を構えて身を乗り出しているヘリが、サーチライトを光らせながら四六時中飛び回っていたとのこと。

続く「黒い雨」は桜川唯丸さんのカバー(作詞作曲は佐原さん)。後半ラストの唄「やっちー(お兄さん)」は、伊波貞子さんの持ち唄。伊波さんが幼少の頃、南洋から戻る船が遭難し、母親が伊波さんの髪を引っ張ってくれて助かったそうだが、お兄さんはそのとき亡くなったのだそう。

後半は、唄で八重山巡りを楽しむ趣向で、宮古の「なりやまあやぐ」や、西表祖内の「まるまぶんさん」、与那国の「与那国ションカネ」「与那国猫小」などなど。

後半最後はおまちかね、すでにメジャー5組にカバーされているという「童神」と、5年前に亡くなった母を想ってできた「天架ける橋」。父親は古謝さんが4歳のときに亡くなっていて、夢を見ることもなかったが、先日小浜島に泊まったときに初めて父の夢を見たのだそう。「祈れば届くんだなと思いました。母への想い、父への想いを胸に唄っていこうと思います」。

アンコールでは、客席にいた桑江知子さん(もうお約束?)と、いずみさんを呼び出し、さらに3階席にいた神谷千尋さん、内里美香さんも緊急招集して、にぎやかに「安里屋ユンタ」。これで終わりかなと油断していたら、このあとの「家路」でしんみり泣かされる。古謝さんの幼なじみ9人のうち、一番の親友がいま闘病中とのことで、古謝さんも涙。

終演後はCD即売サイン会があり長蛇の列。そういえば、そろそろ新アルバムが発表されてもいい頃かと。予想としては今年後半?

あと、古謝さんの話では、いま「そら」のふたりが三線を習いに来たり、Nachuraとも交流があるそうで、本当にみんなのお母さんなんだな〜と思ったりして。地元沖縄でのワンマンは滅多にないもののの、いろんなライヴに飛び入り参加している話もよく聞くし、そこがなんだか古謝さんらしくて愉快かも。(5/4那覇でのRYOEIさんのインストアライブにもゲスト出演予定らしい。)

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2003年04月19日

●奄美フェスティバル in 世田谷パブリックシアター

4/18、うちから1分の世田谷パブリックシアターで奄美フェスティバル。出演は、築地俊造、川畑先民、 当原ミツヨ、森田照史、松山美枝子、貴島康男。前回は若手中心だったが、今回はベテランの唄者ばかりでかなり渋い。

じつは直前までどうしようか迷っていたのだが(だって5,500円って高すぎ!)、こんな近くで見られる機会を逃すこともできず、まんまと仕掛け人の戦略にハマってしまう。

冒頭は築地俊造さんのご挨拶。「奄美にいると身近に感じすぎて大事なものを忘れてしまう。本土から仕掛けてもらって、シマの人が大事なものに気づくきっかけになれば」。

一番手として登場したのは貴島さん。ん〜オトコマエかつスバラシイ声質。横の席にいた奄美出身らしいお爺さんも、ホ〜ッと感嘆の声。「朝花節」「行きょうれ節(?)」「嘉徳なべ加那節」「ヨイスラ節」。お囃子は当原ミツヨさん。「ヨイスラ節」は師匠の坪山豊さんに唯一ほめられた唄とのこと。

次は上品でやさしそうなお姉さんの松山美枝子さん。三線を築地俊造さんが担当。「(東京の人に)白さでは負けますが、あたたかい風を持って参りました」。演目は「糸繰り節」「らんかん橋節」「請くま慢女節」などで、声もあたたかくやさしい。途中で貴島さんが太鼓役で登場。

川畑先民さんは沖永良部出身&在住。演目は「長雲節」「いちきゃ節」「石ん頂」「サイサイ節」。音は奄美というより琉球系で声が低い。三線の弦も沖縄のものを使うとのこと。またまた途中で貴島さんが太鼓で登場。

森田照史さんは、東京で三線教室を開いているお師匠さん。「このような舞台は久しぶり。川畑さんの唄を楽しみにしていました」。お囃子は当原ミツヨさんで、「正月ぎん」「諸鈍長浜」「徳ぬさみ岳」「あまぐるみ」。今度は貴島さんが最初の唄で参加。森田さんのキツイ突っ込みに貴島さん苦笑い。

続いて当原ミツヨさん。立つ位置が入れかわって、森田さんが三線とお囃子。「はる加那節(?)」「芦花部一番節」「長雲節」「やちゃ坊」「豊年節」。ん〜、よく通るつややかな声に圧倒される。貴島さんはまたまた豊年節で参加(パーフェクトまであとひとり!)。

トリはやっぱり築地さん。お囃子は松山さん。「わたしのおふくろが22日で百歳を迎えます」。お〜っと客席拍手。「大ボケしてますが、私のことは忘れていません。親にとってはいくつになっても息子です」。演目は「くるだんど節」「しゅんかね節」「こうき節」。そして築地さんが民謡大賞をとった「まんこい」。「民謡大賞を取ったためにすっかり人生が狂いました(笑)。いまごろ商売人だったはず」。続いて、貴島さんを呼んで(やはりパーフェクト!)、にぎやかに「ワイド節」。ちょっと間違ったらしく「トチってもわからないのがシマウタの良さです(笑)」。

最後は、出演者全員ステージに集合して六調でシメ。パーフェクト達成の貴島さんいわく「はい、康男の太鼓コンサートでした!」。客席大ウケ。続けていわく「ちなみに時間の関係でアンコールはありません」。ドテッ。

で、結局、見に来て良かったとは思うんだけど、ひとり4〜5曲ずつというのは物足りない。毎月入れ替わりで2組ぐらいづつ呼んでシリーズ化したほうが企画としては面白いと思うんだけどな〜。チケットも3,000円台ならなんとか。

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2003年04月18日

●亜波根綾乃「同窓会'03 ASAYAN」

2月にリリースされたCD「同窓会'03 ASAYAN」。これは、昨年終了したオーディション番組「ASAYAN」からデビューしたアーティスト19組の歌をCD2枚に収録したコンピレーションアルバム。ライナーノートにアーティストたちの近況も掲載しているということで、それ目当てに思わず買ってしまう。私が知りたいのは、ASAYAN史上最上級の実力を持つといわれた亜波根(阿波根)綾乃さんの近況。

で、結論からいうと、亜波根さんに関してはほとんど近況情報はナシ(泣)。ただ申し訳程度に「現在、作詞作曲に重点を置き目立った活動は行なわれていない」との記述があるのみ。

亜波根さんのライヴはデビュー当時に一度だけ聴きに行ったことがある('96年?)。場所は渋谷クアトロ。歌はさすがに上手。そして、そのしっかりとした歌いっぷりを見ながら思ったのが「きっといいアンマー(お母さん)になるだろうな〜」ということ。あたたかで強い母性を感じさせる声質。ライヴ中盤でのプレゼント抽選で、会場に来ていた彼女の弟さんが当たってしまったときに見せたお姉さんぶりもその印象を裏付けた。でも亜波根さんは当時まだ高校生になったばかりだったのだが。

数年前にレーベルや事務所との契約も切れたようで、ファンが消息を知る術はないまま。現在、亜波根さんはまだ20歳代前半のはず。たとえ、何年、何十年経とうとも、彼女が自分から再び歌を歌いたいと思うその日まで静かに待ち続けたい。

ちなみに、ASAYANの沖縄オーディションで彼女が歌ったのは石嶺聡子さんの「私がいる」だった。

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2003年04月16日

●とれたて弁当「タコライス」

4/15より、ampm(コンビニ)のとれたて弁当にタコライスが再登場(380円ナリ)。さて、どんなもんかいな?

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2003年04月14日

●東峰夫「ママはノースカロライナにいる」

いま売りの「群像」5月号に、東峰夫氏が新作を発表しているのを偶然みつけた。昨年同誌上で発表した「ガードマン哀歌」以来の作品だろうか。40ページほどの中篇小説だったので一気に読み切ってしまったが、なんとも気だるく寂寞とした読後感が残る。

淡々と進められるストーリー。登場人物にも特異なキャラクターはいない。だが、そのドラマ性のない日常の気だるさこそ、この小説の存在を支えるリアリティだ。いや、実際はドラマの要素は随所にちりばめられているのだ。にもかかわらず、事件らしい事件も起きず、最後まで結末といえる場所にたどり着くことができない気だるさ。絶望も感動もなく中途半端なままの日常。

おそらく今回の作品について語るべき中心は、東峰夫が久々に描いた「オキナワ」なのかもしれない。それはいくらでも意味を見つけ語ることができるだろう。だが、全編をおおう気だるさが、その過剰な必然性をうち消している。東京、沖縄、ノースカロライナ、そのどこにも主人公は根を下ろさず、たどり着くことすらできず、夢とともに浮遊するのみ。その不確かな場所のひとつでしかない「オキナワ」は、かろうじてネガフィルムのように反転して一瞬だけの意味を現しているにすぎない。そして、何度も主人公の夢のなかで出てくる「オキナワ」の異様な光景も、その意味の一過性を強めている。それを無理にポジティブに語ろうとすることは、ひどく無粋なことのように思えてしまう。

「オキナワの少年」で芥川賞をとった小説家の名前を久しぶりに見たのは、朝日新聞の企画記事「それから」だった。いまからもう十年前のことだ。その記事で、彼が東京でガードマンをしているということを知った。悠々自適に暮らしているはずと勝手に想像していたので、かなりショックだったのを覚えている。その寡作の要因のひとつに、オキナワを描くことを期待される苦悩があったことをのちに知った。今回の作品はその苦悩の末のひとつの答え(妥協点?)かもしれない。しかし、その「オキナワ」はどこまでもよそよそしく、ぼんやりとしている。意味の中心であることをあくまで拒絶するように。

ちなみに今月号の群像を買った本来の目的は、劇団本谷の主宰者本谷さんの小説。毎回、劇団の公演を撮らせてもらっているのだが、小説もまた違った味があって面白い。ほかに今月号は、雨宮処凛、大城立裕、増田みず子のコラムや批評が興味深かった。

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2003年04月12日

●千葉かよこ、かわいよしこ、nona in 札幌Blue Moon

4/11、用事で札幌を訪れるが、ちょうど弾き語り系のライヴをみつけたので聴きに行く。会場は地下鉄琴似駅近くのLive Bar「Blue Moon」。小さなスナックやバーがひしめく雑居ビルの2階というロケーションに不安を覚えつつも店のドアをくぐる。

この日のライヴは「歌姫の夜〜番外編」と題し、ギター弾き語りのアーティスト3人が出場。一番手はnonaさん(初見)。いつもは狸小路3丁目(札幌の路上ミュージシャンのメッカ)で唄っているそうで、青いオーバーオールがトレードマーク。とにかく若さいっぱい元気印なのがいい感じ。切ないバラードの「流れ星」という曲が特に印象に残った。まもなく2枚目のCDをリリースするとのこと。

2番手はかわいよしこさん。以前さくらんぼというデュオで歌っていてCDも出していたが、いまは相方(みいこさん)ともどもソロで活動している。恋をしているときに感じる漠然とした不安を歌った「未来」が良かった。4人兄弟の末っ子だそうだが、兄姉とトシがかなり離れているそう(長兄とは18歳差!)。そのなかでも一番仲良しの姉を思って作った「はなればなれ」もいい感じ。

トリは、千葉かよこさん。旭川在住のベテランシンガー(三十?歳)。う〜ん、このひとステキです。「(前の2人が若いので)緊張するので飲んでます」とビールを横に置きつつ歌うが、歌い出したとたんに世界がぱっとあらわれる。ひたれるな〜。ギターの指裁きにも見とれてしまった。穏やかな気持ちにさせてくれる「散歩のリズム」がなかなか好きかも。Dixie Chicksのカバー「more love」もグッドだった。

ライブ後に思ったのは、地元の一部のひとしか知らない素敵なミュージシャンがまだまだいっぱいいるはずということ。今後も地方に行く際にはマメに地元ライブハウスをチェックせねば!という意を強くしたのであった。

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2003年04月09日

●さくら at 千鳥ヶ淵

「とうきょうも〜春だよ...」(大塚利恵「東京」)

しかし、そのころ波照間島では...

すでに夏!

(写真上:東京千鳥ヶ淵にて4/9撮影)
(写真下:波照間島ニシ浜にて3/30撮影)

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2003年04月08日

●全日空「突然割引」

今月、突然沖縄に行きたくなったら突然割引。超割並みの値段で沖縄往復できる。ただし、2名様以上で土日祝限定。(あれ、2名だったら格安ツアーのほうが安いか?)

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2003年04月07日

●Kiroro in 渋谷公会堂

4/6、きょうはKiroroのコンサート。待ちに待った、...のはずがすっかり忘れて夕方まで爆睡。さて髪でも切ってこようかなと起きあがってふとカレンダーを見ると「4/6 kiroro」の文字。げげ!あわてふためいて、ボサボサ髪のまま渋谷公会堂へと急ぎ、なんとかギリギリセーフ!

今回は最新アルバム「Four Leaves Clover」の曲が中心の構成。ステージ上のふたりはとっても楽しそう。特に千春はアップテンポの曲ではぴょんぴょん飛びはねるわ、くるくるまわるわで、歌うヨロコビを全身であらわす。前半は、「A song of love」「長い間」「ひまわり」「くもりのち晴れ」「ひとつぶの涙」など。

中盤、「愛さない」のあとに千春がステージからはけ、唐突に綾乃コーナーがスタート。ソロでセンターに立ち「去りゆく日々」を歌うが、これがハッとするほどいい!切ない綾乃の声に予想外にじ〜んとさせられる。続いてバックバンドと一緒に「ジェシカ」(インストゥルメンタル)。一転して激しくスィングする綾乃のピアノがこれまたいい。

おなじみちゅらさんのテーマ曲「Best Friend」の前には、前奏のようにちょっとだけ「ちんぬくじゅうしい」(歌なし)をピアノ(綾乃)と三線(重実徹)で。続く「未来へ」は、千春ののびやかでやわらかな声が会場を満たし、千春の復活を強く印象づけるスバラシイ仕上がり。

MCは、いつものように珍問答炸裂。綾乃「雨、明日すごかったね〜」、千春「昨日でしょ!!」。「最近、綾乃は新宿ルミネで吉本新喜劇を見てきたんだよね、どんなだった?」「うん…、えーと…(綾乃いっぱいいっぱい)」「さっき、楽屋で話してたでしょ!」「あ〜!」(結局「まていっ!」というギャグが気に入ったということが長い時間かかってわかった)。ほかには千春が高速道路をひとりで運転中にパーキングエリアでヒッチハイカーを乗せて、あとで周囲の人から「あぶない」と怒られた話など(千春いわく「沖縄までっていうボードを持ってたので乗せてしまった」とのこと)。変なことを言ってしまうたびにテレまくりのふたりに、客席からは「かわいい〜」の声多数。

また、アルソア化粧品の洗顔石鹸のイメージタレントに抜擢されたそうで、「この石鹸、黒いんだけどすごい落ちるんだよね」「黒かったのが肌色になって(?!)さらに白くなった〜」「沖縄の友達にもすすめたいねー」(おいおい...)。今後、雑誌広告などに出るそうな。

後半は「ちょきん」「ランナー」「約束」などアップテンポ調な曲を連続で。千春は二の腕をぷるんぷるん(本人談)させて、ステージをはねまわる。曲の合間では何度も「ありがと〜」を連発。「もう、うれしいさー」。

アンコールはデビュー前に作った思い出深い曲「3人の写真」。歌う前に千春が親しい友達のことやお客さんへの感謝の言葉などを話していると、静かにバックでピアノが流れだし、「だめ、泣いちゃうでしょ!(振り返って)あー、綾乃泣いてる!」。そして「ツアーが終わるまで泣かない!」とグッと気合いを入れて歌い出すが、スモークが流れ出したところで涙で声がつまってしまう。「(スモーク)出るって聞いてないよ!もー」。

そして本日ラストは「月の夜」。歌う前にスペシャルゲストの紹介。なんとそれは「3人の写真」の親友、愛美(まーみー)さん。彼女もいれてみんなで車座になり、沖縄の毛遊びのよう。ひとりひとり順に真ん中のマイクに近寄り、ピアニカ(綾乃)、木琴、ギターなどを演奏。ちゅっちゅらちゅらら♪と千春が紙吹雪をまいたり楽しそう。

こうして終始あたたかい雰囲気に包まれてコンサート終了。私の横に座っていた女性二人組は「もらい泣きしちゃった〜」と話していた。昨年の読谷村でのアコースティックコンサートで活動を再開したKiroro。これからはあまりハードなスケジュールを組まず、ゆっくりと曲作りをしてもらいたいなーと願う。ちなみに今回のツアーはこれからが後半戦で、6/1の沖縄コンベンションが最終ライヴとなる予定(4ヶ月間けっこうハードだよなー)。

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2003年04月05日

●navy & ivory in 渋谷7th floor

4/4、この日は大塚利恵、拝郷メイコ、navy&ivoryと3本のライヴが重なってしまい、悩んだ末にレコ発ワンマンライヴということでnavy&ivoryを選択する。会場は前回と同じ渋谷7th floor。

1曲目の「Girlfriend」のあと、おなじみユニゾンでのご挨拶。「きょうは来ていただきありがとうございました!」。おー、今回はぴったり。よくできました(はなまる)。次は代表曲「指輪」。なんとこの歌を作るきっかけとなったご夫婦が会場にいらっしゃっているということでご紹介。以前、吾郷氏がバイトをしていた会社の上司とのこと。「まだ(仲は)大丈夫ですか?」と吾郷氏問題発言(笑)。

今回特に印象に残った曲が「流星群」。大半の曲では少年っぽい純な心の持ち主がモチーフなのだが、これはちょっとオトナな内容。愛することに疲れ、愛される安らぎに逃げたという、女性から見ればヒドイ男の歌なんだけど、なんか身につまされるんだよなあ。けっこうお気に入り。

ライブの中盤では吾郷氏のピアノ弾き語りソロも披露。その歌のあと、花束をもってステージに戻る下地氏。「ぼくへの花束?」と吾郷氏が聞くと、「いや、違います(笑)」。実は、同じ宮古島出身の友達が会場に来てて、その彼にたったいまもらったそうだ。高校卒業後、一緒に上京してきた友達の多くは宮古に帰ってしまい、まだ東京にいるのはほんの数人らしい。

そのほか「失恋当日」「アシタキミニアエルカラ」「最愛」など。作詞作曲が得意な吾郷氏と、表現力あるボーカルの下地氏、この二人のコンビネーションが今後も続く限り、まだまだ名曲が生まれそうで楽しみ。ただしMCでのギャグはまだ開発の余地ありか(笑)。きょうも常連客から鋭いダメ出しが!

なお、今回めでたく発売となったCD「アカイイト」はタワレコや新星堂がみつけやすいかも。ちなみに渋谷タワレコでは売り切れだった。

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2003年04月04日

●「STREET SOUNZ」

副題が「Okinawa Music Renaissance」というこのムック。沖縄発の元気な若手バンドが満載。巻頭特集はモンゴル800、IN-HI、地獄車、BLEACH。ロック系だけでなく、與那覇徹、しゃかり、Kiroro、仲田まさえ等のインタビュー紀事も掲載している。実は私も少しだけ原稿書かせてもらってるんだけど、下請けの下請け仕事だったので、出来上がるまで本の企画内容をまったく知らなかったのだ。でも意外とディープな内容でなかなかいい感じ。圧巻なのは附録CD。試聴サイズながらインディーズ系の音源を43曲も収録しているのだ。普通の本屋よりも、HMVとかTOWER RECORDSのほうが発見しやすいかも。ただ、ちょっと目には沖縄音楽関係の本と気づきにくいのが難点か(ネラってるのかもしれないけど)。
(発行シンコーミュージック、2003/3/28発売、定価1,200円)

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2003年04月02日

●「沖縄の著名人が好きなお店の料理」

去年ヒットしたガイドブック「カフェ100」を出版したチャイルドフッドが、新刊を出しているのを那覇空港の本屋でみつけ購入。あー、これが佐渡山さんが取材を受けたと言ってた本か。総勢78組のタレント&アーティストが、お気に入りのレストランやカフェを紹介。その顔ぶれがなかなかマニアック。與那覇徹、日出克、双葉、泉&やよい、照屋政雄、THE☆HOOKERS、などなど。地元番組の人気パーソナリティものっていて興味深い。飛行機のなかで読みふけってしまった。
(発行元:チャイルドフッド、2003/4/1発売、定価1,200円)

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2003年04月01日

●ローリー in コザMOD'S

3/30、きょうはハードスケジュール。朝、第一便の船で西表島上原を発ち、石垣経由で昼頃に波照間島到着。ここで音楽食堂パナヌファを訪ね、夕方の便で再び石垣港に戻り、タクシーで空港に急いで、最終便で那覇空港まで。さらに空港からバスに乗って1時間、コザの常宿グレイスホテルに荷物を置いてMOD'Sへと走る。店内にはいると同時に、楽屋から出てきたローリーさんとハチ合わせ。ふ〜ぅ、本スタート22時というヨミがあたってギリギリセーフ!

今回はバースデイライヴということもあり、お客さんも大勢でニギヤカ。「二日酔いのホリデー」(なんちゃってフランスバージョン?!)でライヴスタート。おー、今日はアコギ弾き語りの完全ソロ!しびれるなー。

「特別な夏」「Oh!シンディ」とお気に入りの歌が続いたあと、「my little town」。やさしく静かであたたかく、そして悲しみをたたえた情景が目の前に浮かび上がり、目頭が熱くなる。そして前半のラストは「最後の奇蹟」。

後半の曲はブルースの神様サム・クックのカバーでスタート。続いて「この町はいい町だよ」など。ふと気づくと後ろから花束とバースデイケーキが運ばれ、ローリーがろうそくの火を消す。ろうそくの本数がなんだか少なかったと思うのは気のせいとして(笑)、みんなでハッピーバースデイ、ローリーと合唱。そしてローリーは今日楽屋で作ったばかりという歌を披露する。「ハッピーバースデイ、今夜だけはほめてあげたい...」という詞が印象に残る歌だった。

MCでローリーからCDの告知。ひとつは佐渡山豊氏とスタジオ録音した限定盤CD。もうひとつは、3rd Wave制作のオムニバスCDで、ワルツによる「芭蕉布」と、ローリーの「特別の夏」が収録されているそうだ(「琉球詩歌」4/23発売)。

後半ラストは「週末はA&Wで」。もちろんアンコールの大拍手でローリー再登場!ギターをGRETSH製エレキに持ち替えて、さあ本番はこれからって感じか。このあと、怒濤の連続アンコールの嵐が!「うちの娘はやれません」「銀座カンカン娘」「ボニーとクライド」「聖職」「まぶやー」などなど、ビートルズやローリングストーンズも飛び出して、最後は「Love & Peace! No War!」と叫んでついに終了。ほ〜っと、しばらく呆然というか余韻に浸る。ふと時計を見ると1時近く。3連続アンコール3時間近くの熱いステージに大・満・足!

Posted by nonkar at 08:36 | Comments [0]