2002年11月03日

●仲宗根かほる in 宮古マティダ市民劇場

10月27日沖縄4日目は、仲宗根かほるの宮古島コンサート。朝の便で那覇から宮古に飛ぶ。仲宗根さんは宮古島出身で、スタンダードジャズの若手ボーカリストとして東京で活躍中。今回は3回目の凱旋コンサート。

会場のマティダ市民劇場は、港の乗船ターミナルに隣接した大きなホール。そのホールを埋めた大勢の宮古市民を前に、堂々とジャズナンバーを歌いあげる仲宗根さん。曲目は、今年4月にリリースされた5枚目のアルバム「タブー」の収録曲や、映画の挿入歌を中心に構成。スタンダードジャズにあまり馴染みのない人も楽しめるよう考慮された選曲のよう。

実は、仲宗根さんの歌をナマで聴くのは久しぶり。その定評あるエンジェルボイスは、ますます優しく甘く魅力が高まっているように感じた。なかでも「アマポーラ」は、その魅力が存分に発揮されていてメロメロ。また、有名な「ケセラセラ」や「雨に唄えば」にも新鮮な印象を受ける。

途中、特別ゲストとして「宮古高校ヴォーカルアンサンブル」が登場。これは現役高校生の男女7人によるアカペラグループで、沖縄県の高校音楽コンクールで金賞を受賞したとのこと。やや緊張気味に見えたが、歌い始めるとその絶妙なハーモニーで会場をわかせる。最後に仲宗根さんとも一緒に歌い、仲宗根さんから全員にCDをプレゼント。

その後もステージは順調に続く。そして最後の曲の後で観客から花束贈呈。よりいっそう大きな暖かい拍手。ここで感極まって涙を見せる仲宗根さん。なおも暖かい拍手、拍手。「がんばれー」とのお客さん(おばちゃん)の声がかかる。「プロは泣いてはいけないんですけど...」と涙をこらえて話しはじめる。「わたしは宮古がきらいでした...」。島に生まれてなければ、ジャズを勉強するのにも苦労しなかったはずと思っていた。でも初めて宮古島でコンサートをしたとき、親やおばあちゃんが「おまえは私の誇りだ」と言ってくれた。そのときに、島の大切さに気が付いた...、と。勇気のある告白だったと思うが、正直に言わずにはいられなかったのだろう。それは、仲宗根さんのプロとしての意識の高さにも通じるカミングアウトだったと思う。

終了後、仲宗根さんに挨拶するつもりだったが、サインを求める人の列を見て、今回は断念。今は宮古のひととの交流の時間を大切にしてもらいたいと願いつつ、会場をあとにする。

Posted by nonkar at 2002年11月03日 01:51
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