2002年12月13日

●佐渡山豊プレゼンツ「トラトラトラ2002」 in ピラミッド

12/8、コザのピラミッドで「トラトラトラ2002 弾を浴びた島にパンクを!」。出演は、源天 with ヨーシー、ローリー、遠藤ミチロウ、三上寛、佐渡山豊、中山ラビ、頭脳警察(出演順)。イカしたクセモノミュージシャンたちが、基地の街コザに集結!客も立ち見が出るほどの入りで、会場は開演前から熱気を帯びる。

ステージは詩人の山之口貘の肉声と佐渡山豊による詩の朗読で静かに幕を開けた。

まず一番手は源天 with ヨーシー。源天の力強い歌声があたたかく会場をつつみこむ。サングラスの奥のやさしい瞳が印象的。続いてヨーシー(瑞慶山佳誠)もオリジナル曲を披露。静かに心を奮い立たせてくれる歌「燃えろ心」がなかなかいい感じ。ヨーシーは来年から音楽活動を本格化させるそうで、今後に要注目。

次は待ってましたのローリー!赤い開襟シャツに赤いスニーカーという組み合わせが彼らしくてグッド。今回はサポートなし。MCもなくひたすらに歌い続けるローリーにしびれる。最後は「永遠の詩」。いつもながら静かな余韻が残る。

ここで本日の司会進行役、とうじ魔とうじのご挨拶。サブカル界では有名な彼だけに、もちろん単なる司会にとどまらず、さまざまな日用品を楽器にするパフォーマンスを実演。普通の糸一本でエレキのようにギュインギュイン鳴らす一弦奏法で観客の度肝を抜く。

そして、頭にバンダナを巻いた遠藤ミチロウが黄色い声に迎えられてステージに登場。「お母さんいい加減あなたのことは忘れてしまいました」から全開スタート。本土からの追っかけもいたようで、ステージ前はノリノリ。しかし大半のミチロウ初体験の客は、驚きで唖然とした表情。曲はほかに「JUST LIKE A BOY」「1999」「ガジュマル」「父よ、あなたはエラかった」「天国の扉」。途中で頭脳警察のトシが加わり、二人のユニット「ノータリンズ」に変身。これは沖縄初。ちなみに新曲「ガジュマル」は翌日沖縄でレコーディングとのこと(ノータリンズで)。

つづく三上寛でも、口を開けて硬直状態の観客多数。全身の血管がブチ切れんばかりの迫力あるプレイに、ステージ前で見ていた地元の若いニイチャンたちも「すげえ...」とショックを隠さない。これぞ身からにじみ出るホンモノのパンク!エレキがうなる!ちなみに会場には、三上寛の一番弟子という又吉究の姿が。

 
次はいよいよ佐渡山豊。サポートをつとめるローリーと一緒に登場。この思わぬセッションに一瞬「お〜」とどよめく客席。曲は「ダキダキブルース」「紙の上」「ランブリングマン」。そして「Be堕天使」からはトシも加わり、夢のミラクルセッションが実現。このスリリングな3人の競演で「Be堕天使」は鋭利な刃物のように心に突き刺さってくる。そして「どぅちゅいむにい」はいつにもまして緊張感をはらんだ最高の盛り上がりに。

中山ラビは、ホットパンツに黒タイツという挑発的なファッションでいきなり客をノックダウン!「いや、こわくないですよ、私は」と自分でフォロー。凛とした瞳で一点をみすえながら淡々と歌う姿に静かにひきいられていく観客。後半、イスをステージに出し、座ると思いきや片足をのせ、ますます挑発的に。「(見えそうで)危険ですね、前の人は目を閉じて聴いてください」。奄美と縁があるそうで、奄美民謡をアレンジした歌も披露。

トリは沖縄で初プレイの頭脳警察。いきなり「銃を取れ」でフルパワー爆発。会場の熱気も最高潮!パンタの魂の叫びとトシの超絶パーカッションの圧倒的な破壊力!「歴史からとびだせ」「さようなら世界夫人よ」「軍靴の響き」「飛翔」など10曲を一気に歌いきる。アンコールでは、佐渡山を招き入れて「落ち葉のささやき」。そして今日の全出演者をステージに呼んで「悪たれ小僧」と佐渡山の「No More Rain」をひとりずつ順番にリレーで歌いフィナーレ。こうして全5時間以上の熱いステージは予定時間を1時間近くオーバーして夜10時前に終演した。

12月8日は「トラトラトラ」で有名な真珠湾攻撃の日であるとともにトラ年の佐渡山の誕生日でもある。佐渡山がこの日に親しいアーティストを集めて沖縄コザでコンサートを成功させたモ義は大きい。なにより、この企画に応えて予想以上につめかけてくれた観客たちひとりひとりの存在に大きな希望を感じた1日だった。

Posted by nonkar at 2002年12月13日 09:04
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